風炉 薄茶長板二つ置の手順

裏千家茶道 風炉 長板二つ置 薄茶点前の手順を記載しております。

長板は風炉用(長さ二尺八寸 約84.8cm、巾一尺二寸 約36.3cm、厚さ六分 約1.8cm)で、台子と同じ真塗ですが、黒搔合わせ、桐木地青漆、摺漆(すりうるし)などの好みが後に出来たと言われています。長板の据え方は、畳の前縁から畳目十六目向こうに置きます。木地や木目のあるものは、木の根元を勝手付にします。小間または小間据えには長板は使いません。


準備

点前座に長板を定座に据え、風炉を長板中心左寄りにのせ釜をかけ、蓋の向こうを少し切っておく。長板の中心右寄りに水指を置き合わせる。


手順

茶道口建付に体に近い方に棗、茶碗を置いて座り、襖を開け、主客総礼する。棗を右手で上から持ち、茶碗を左手で持って立ち、席に入り、長板上の水指正面に進んで座り、棗、茶碗を同時に水指の前に置き合わせる。

水屋に下がり、建水を持ち出し、居前に座り、建水を左膝脇に置く。柄杓を左手で取り、右手で扱ってかまえ、蓋置を右手に取り出し、長板の上、左前角に置き、その上に柄杓を膝に向かってをひく。

建水を左手で膝の先まで進め、居前を正す。茶碗を右手前、左真横、右真横と三手で膝前少し向こうに置き、棗を右一手で茶碗と膝の間に置く。

腰の袱紗を取り、草にさばいて棗を清め、水指の前左寄りに置き、袱紗をさばき直し、茶杓を清め棗の上に置く。袱紗を左手に握り込んだまま、茶筅を右手でとり、棗の右横に置き合わせ、茶碗を右手で少し手前に寄せる。(男子はここで袱紗を腰につける)

柄杓を左手の指に挟んで柄杓をとってかまえ、右手で袱紗を持ち、釜の蓋を取り、蓋を蓋置の上に置く。(男子は袱紗を使わない)

茶碗の中の茶巾を右手で取り出し、釜の蓋の上、手前に手なりに置く。柄杓を右手で取り扱って持ち直し、湯を汲み茶碗に入れ、置き柄杓で柄杓を釜にあずけ、茶筅を右手でとり、茶筅通し(二度上げ三度打ち)をする。茶筅を元に戻し、茶碗を右手でとり、左手で建水に湯を捨て、茶巾を右手でとり、茶碗を拭き、茶巾を釜の蓋の上に戻す。

茶杓を右手でとり、左膝の上で持ったまま、客に菓子をすすめる。「お菓子をどうぞ」

棗を左手で横から持ち、右手に茶杓を握り込み棗のふたを開け(この時茶杓のかい先は膝のほうに向くように)、右膝前に置き、茶をすくって茶碗に入れ、茶杓を茶碗の縁で軽く打ち茶をはらう。茶杓を握り込んで棗の蓋を閉め、元に戻し、茶杓も棗の上にのせ、水指の蓋を右、左、右の三手でとり、水指の左横に立てかける。

柄杓を取り湯を汲み、茶碗に入れ、残りの湯を釜に戻し、切り柄杓で柄杓を釜にあずける。

茶筅を右手でとり、茶を点て、茶筅を元に戻す。茶碗を右手でとり、左手のひらにのせ二回回して正面を正し、畳の縁外の定座に出す。

正客の「お点前頂戴いたします」の挨拶を受け、正客の一口で袱紗を右手でとり、腰につける。(袱紗が仮置きされている場合のみ)

茶碗が返されると、右手でとり、左手のひらにのせ、右手で膝前に置いて、湯を汲み、茶碗に入れる。

※建水に湯を捨て、仕舞いの挨拶がなければ茶巾を取り、茶碗を吹き、茶を点てだす。

建水に湯を捨てた時、正客よりお仕舞いの挨拶があると、右手をついてこれを受け、茶碗を右手で下に置き、仕舞いの挨拶をする。「お仕舞いいたします」

取り柄杓で柄杓を取り水を汲み、茶碗に入れ、引き柄杓で柄杓を釜にあずける。茶筅を右手でとり、茶筅通し(一度上げ二度打ち)をし、茶筅を元に戻し、建水に水を捨て、茶巾を右手でとり、茶碗に入れ、拭かずに膝前に起き、茶筅を右手でとり、茶碗にしまう。

茶杓を右手でとり、建水を左手で下げ、腰の袱紗を取り、茶杓を握り込んで袱紗を草にさばき、茶杓を清め茶碗の右側に伏せてのせ、建水の上で袱紗をはらい腰につける。

棗を右手で水指の前、右寄りに置きかえ、茶碗を右真横、左真横、右手前の三手で棗の左に置きき合わせる。(本仕舞い)

取り柄杓で柄杓を取り、釜に水を一杓さして湯返しをし(柄杓を飾らないが湯返しをする)、柄杓をかまえ、釜に蓋をする(蓋の向こうを少し切っておく)。柄杓を蓋置の上にひき、水指の蓋を右、左、右の三手で閉める。

正客より、棗、茶杓の拝見の所望されると、これを受け、柄杓を右手でとり、左手で建水に伏せ、蓋置を右手でとり左手で建水の下座に置く。

茶碗を右手前、左真横、右真横の三手で勝手付に割付け、棗を右手でとり、左手のひらに乗せ1客付に回る。棗を膝前に置き、袱紗を草にさばいて清め、袱紗を握り込み蓋を開け、蓋裏をあらため、膝前に置き、棗の口を向こう手前と拭き、袱紗を握り込んで蓋をして、膝前に袱紗を置く。棗を右手で上から持って手のひらにのせ、二回回して正面を正し、定座に出す。

袱紗を腰につけ、居前に戻り、茶杓を右手でとり、左手に持たせ客付に回り、茶杓を右手で逆手にして持ち棗の下座(右)に出す。

居前に戻り、柄杓、蓋置を右手で横一文字に持ち、一膝勝手付に向き、建水を左手に持って水屋に下がる。席に入り茶碗を持って下がる。

水次を持って入り、水指の正面に進んで座り、水次の口と長板が平行になるようにおく。水指の蓋を右、左と二手で開け、茶巾を右手でとり、水次の手を左手で持ち、右手で口下に茶巾を当て、水を注ぎ、水次を元の位置に置き、水指の蓋を左、右と二手で閉め、水次を持って下がる。

拝見が終わり、道具が返されると、一旦茶道口に座り、席中をうかがってから立って、席に入り、道具正面に進んで座る。

正客より棗、茶杓の問いに答え、終わると一礼をし、右手で棗を上から持ち、左手のひらにのせ、右手で茶杓を持ち、茶道口に下がって座る。建付に茶杓、棗と置き(体に近い方に棗)、主客総礼、襖を閉める。