茶箱 和敬点前の手順


裏千家茶道 茶箱 和敬点前の手順を記載しておりたす。

和敬点前(和敬点 わけいだて)は、十四代淡々斎が創案されました。卯の花点前と雪点前を調和させ簡略したもので、薄板を用います。茶箱点前の中でも、取り組みやすいとされています。道具の拝見は、原則としてありません。

準備

箱の仕組みは殆ど卯の花点前と同じ。茶碗は大小二碗を重ね、二つ折りにした古帛紗を入れ、その上に棗を入れ、茶箱の中、手前に寄せておく。茶筅を茶筅筒に入れ、茶碗の右向こうに置き、茶巾を絞った姿で両耳を出して茶巾筒に入れ、茶碗の右向こう、茶筅筒の手前に置く。振出は、中に金平糖や豆類などを入れ、茶碗の左向こうに入れる。茶碗の上に茶杓を伏せて斜めに乗せ、その上に草にさばいた袱紗おき、茶箱の蓋をする。箱の上に蓋と同じ大きさの薄板を重ねておく。

※和敬点前は、茶碗を二碗重ねて入れる

点前座は点前畳中央に敷板を据え、瓶掛をのせて鉄瓶をかけ、蓋を向こうに少し切っておく。

手順

茶道口に座り、薄板を蓋の上に乗せた茶箱を建付に置き、襖を開け、主客総礼をする。両手で茶箱を持ち、席に入り、点前座正面に進んで座り、瓶掛の前に茶箱を置き、水屋に下がる。

左手に建水を持って入り、点前座正面に座り、建水を左膝横に置く。両手で茶箱を持ち、勝手付に寄せ、両手で敷板を取り、膝前に置く。

両手で茶箱の蓋を取り、右向こう、左手前と回し、横にして、便掛敷板の右横に置く。右手で箱の中の袱紗を取り、草にさばいて右手で持ち、左手で箱の蓋を持ち、袱紗さで「三」に拭き、袱紗を薄板の右上に仮置きをする。

右手で箱の中の茶杓とり、左手で扱い右手で蓋上左寄りに置く。右手で振出を取り、左手のひらに乗せ、二回回して正面を正し、客付に出し、主客総礼をする。

※正客は振出を取りに出て、畳の縁外にあずかる。

重ねてある茶碗に左手を添え右手で取り出し、両手扱いで薄板の上に置く。右手で茶碗の中の棗を取り出し、左手のひらで扱い、右手で蓋上、茶杓の右に置き、右手で古帛紗をとり、一手で箱と敷板の間におく。両手で重ねたままの茶碗を古帛紗の上に置き、両手で上の茶碗を取り、右手で薄板の上に置く。

両手で箱を持ち上座につき、左手で建水を進め、居前を正す。右手で袱紗を取り、さばき直し棗を拭き清め元に置き、袱紗をさばき直し、茶杓を清め元に置く。袱紗で鉄瓶の蓋を閉め、袱紗を敷板右上に置く。

左手で箱の中の茶筅筒を取り、右手で茶筅を抜き取り茶碗の右縁に持たせかける。左手の茶筅ずつを箱に戻し、その手で茶巾筒を取り出し、右手で茶巾を出し、箱の上夏目の右手前に置き、左手で茶巾筒を箱に戻す。

右手で袱紗をとり、左手で鉄瓶を取り、袱紗で鉄瓶の蓋を抑えながら茶碗に湯を入れ、鉄瓶、袱紗の順に元に戻す。

右手で茶巾をとってたたみ、元の位置に置き、茶筅通しをし、茶筅を蓋上、夏目右側茶巾の向こうに置く。右手で茶碗をとり、左手に持ちかえ、建水に湯を捨て、右手で茶巾を取り、茶碗を拭き、茶碗を薄板の上に置き、茶巾も元に戻す。

右手で茶杓をとり、客に菓子をすすめ、棗を左手で取り、右手の茶杓を握り込んで棗のふたを開け、蓋は棗のあった位置に置く。茶碗に茶を入れ、棗の蓋をし、棗、茶杓の順に元に戻す。

右手で袱紗をとり、左手で鉄瓶を持ち、袱紗で蓋をおさえながら茶碗に湯を入れ、鉄瓶、袱紗の順に元に戻す。

茶筅を取り、茶を点て、茶筅を元に戻し、右手で茶碗を取り、左手のひらに乗せ、二回回して正面を正し、右手で客付定座に出す。(茶箱点前は、古帛紗の上に茶碗をのせて出すのが普通だが、和敬点前では古帛紗の上に乗せない)

正客の「お点前頂戴いたします」の挨拶を受け、正客の一口で、左手で古帛紗の上の茶碗を取り、右手で持ち替え、薄板の上に置き、右手で袱紗をとり、左手で鉄瓶を持ち、袱紗で蓋を押さえながら茶碗に湯を入れる。

鉄瓶、袱紗を元に戻し、右手で茶碗をとり、左手で建水に湯を捨て、茶巾を取り、茶碗を拭き、薄板の上に茶碗を置き、茶巾を元に戻す。茶杓、棗を取り、茶碗に茶を入れ、棗、茶杓を元に戻し、茶碗に湯を入れ、茶を点てる。

茶筅を元に戻し、右手で茶碗を取り、左手のひらに乗せ、二回回して正面を正し、定座に出す。

※このようにして、二つの茶碗で交互に茶を点てる。

茶碗が返されると、右手でとり、左手のひらにのせ、右手に持ち替え、薄板の上に置き、右手で袱紗をとり、左手で鉄瓶を持ち、袱紗で蓋を押さえながら茶碗に湯を入れ、鉄瓶、袱紗と元に戻して、茶碗を右、左の二手で建水に湯を捨てる。

正客から仕舞いの挨拶があるとこれを受け、茶碗を薄板の上に置き、仕舞いの挨拶をする。返されている振出を、右膝脇に取り込み、茶碗に湯を入れ、茶筅通しをし、茶筅を右手に持ったまま左手で箱の中の茶巾筒を取り、茶筅筒に茶筅を入れ、左手で茶筅筒を箱の中に戻す。

右手で茶碗をとり、左手に持ちかえ、建水に湯を捨て、右手で茶巾をとり、茶碗を拭き、茶碗を薄板の上に置く。

右手で茶巾を取ったまま、左手で箱の中の茶巾筒を取り、茶巾筒の胴に茶巾を当てて巻き、茶巾筒に入れ、左手で箱の中に戻す。右手で薄板の上の茶碗をとり、左手で古帛紗の上に置く。

下の茶碗が戻ると、右手でとり、左手の平にのせ、薄板の上に置き、袱紗、鉄瓶を持ち、茶碗に湯を入れ、右、左の二手で茶碗の湯を建水に捨て、薄板の上に置く。

薄板右上の袱紗を右手でとり、さばき直し、茶杓をふき清め、茶杓を蓋の上の元の位置に置く。袱紗を建水の上ではらい、薄板の上に戻し、左手で建水を下げ、両手で箱を下げる。

左手で古帛紗の上の茶碗を取り、薄板の上の茶碗に両手扱いで重ね、古帛紗を二月折りのまま、右一手で茶碗の中に入れる。右手で棗を取り、左手のひらに扱って、古帛紗の上に仕込み、茶碗を両手で扱いで、箱の中に入れる。

右手で振出を取り、左手のひらに扱い、右手で箱の中に入れ、右手で茶杓をとり、左手で扱い、右手で箱の中、茶碗の上に斜めに伏せてのせる。右手で袱紗を取り、袱紗で鉄瓶の蓋を向こうに切り、袱紗をさばき直し、箱の中に入れる。

両手で蓋を取り、左向こう、右手前と回し、縦にして、両手で箱に蓋をする。両手で薄板を持ち、茶箱の上に乗せ、両手で茶箱を持って、点前座正面に置き直し、一膝勝手付に向いてから、左手で建水持ち、水屋に下がる。

席に入り、点前座正面に進んで座り、両手で茶箱を持ち、茶道口に下がって座り、建付に茶箱を置き、主客総礼をし、襖を閉める。

二碗めの茶碗(大きい方の茶碗)で仕舞いの挨拶がある場合

仕舞いの挨拶を受け、茶巾を取り、茶碗を拭き、薄板の上に茶碗を置く。茶巾を戻し、茶碗を右、左の二手で古帛紗の上に置き、上の茶碗が戻ると、薄板の上に取り込む。茶碗に湯を入れ、建水に捨て、仕舞いの挨拶をし、右手で振出を右膝横に取り込み、茶碗に湯を入れ、茶筅通しをし、茶筅を茶筅筒に入れ、箱に入れる。建水に湯を捨て、茶巾を取り、茶碗を拭く。

茶碗を薄板の上に置き、茶巾筒に茶巾を入れ箱に戻し、袱紗をさばき、茶杓を清め、茶杓袱紗と蓋の上に戻し、建水をさげ、箱を下げる。

右手で薄板の上の茶碗をとり、両手で古帛紗の上の茶碗に重ね、両手で薄板上に置き換え、古帛紗を右一手で茶碗の中に入れる。棗を取り、茶碗の中の古帛紗の上に置き、両手で茶碗を箱の中に入れる。右手で振出を取り、箱の中に入れ、右手で茶杓を取り箱の中の茶碗の上に斜めに伏せてのせ、袱紗で鉄瓶の蓋を向こうに切って、袱紗をさばき直し、箱の中に入れる。

箱の蓋を両手で持ち、左向こう、右手前と回し、箱を縦にし、両手で薄板を持ち、箱の上に乗せる。茶箱を正面に置き直し、一膝勝手付に向いて左手で建水を持ち、茶道口に下がる。

両手で茶箱を持ち、茶道口に下がって座り、茶箱を建付に置き、主客総礼をし、襖を閉める。