裏千家茶道 風炉濃茶茶入荘りの手順を記載しております。
茶入荘りは、茶入が由緒ある品であったり、当日の連客中からいただいた茶入を用いた場合などに行なわれる点前です。
荘り点前(茶入荘り、茶碗荘り、茶杓荘り、茶筅荘り)は濃茶点前のみ行われると淡交書籍に記載されております。
しかしながら、茶筅荘りのみ薄茶点前も行われるとの伝えや、茶入荘り以外は全て薄茶点前も行われるとの伝えもありますので、師のお教えに従ってください。
準備
炉に釜をかけ、釜の向こう側を手なりに少し切っておく。
仕込み用の茶碗に茶碗に茶巾、茶杓、茶筅を仕込み、飾る茶碗に仕覆を着せた茶入を仕込む、茶入には人数分の茶を入れておく。
建水に蓋置と柄杓を仕込む。柄杓は節が中程ある炉用のものを使う。
菓子器に主菓子を盛りつける。
袱紗を腰につけ、懐紙、古帛紗を懐中する。
飾りつけ
水指に八分目程の水を入れ、定座に飾る。
茶巾、茶杓、茶筅を仕込んだ茶碗を持って水指の前に座り、茶碗を正面に置き、茶杓を水指の蓋上の右側に置き、茶筅を出して茶碗の右に仮置きをする。茶巾を水指の蓋のつまみの前に立てかけ、茶巾の上に茶筅を飾る。
茶入を仕込んだ茶碗を水指の前に飾る。
手順
客の席入りの後、菓子を運ぶ。
茶道口に柄杓、蓋置を建水に仕組んで膝前に置いて坐り、襖を開け、席に入り、茶道口を閉め、定座に坐る。
左手で柄杓を取り、右手でかまえ、蓋置を右手で取り、風炉敷板の左前角に置き、柄杓を扱って蓋置の上に引き、主客総礼をする。
左手で建水をすすめ、居前を正す。
茶入の入った茶碗を両手で扱い(左手を添える)、膝前少し向こうに置く。
左手を茶碗に添え、茶入を右手で取り、茶碗と膝の間に置く。
仕覆の緒をとき、脱がせて、茶入を茶碗と膝前の間に置き、両手で仕覆の形をととのえ、右手で仕覆の右横を持ち、左へ打ち返して、打留を客付きに向けて、右手で風炉と水指の間、釜の敷板の線上に合わせて置く。
懐中から古帛紗を取り出して、右手で水指の前左寄りに二つ折りのまま置き、右手で広げる。
腰の袱紗を取り、草の四方さばきをし、左手で茶入を取り、蓋を向こう手前と二引きに拭き、袱紗を茶入の胴にあて、左手で左回しに回して拭き、広げた古帛紗の上に茶入を置く。
袱紗をさばき直して、茶杓を取り、三回拭き、茶入の蓋の摘みの左側(火の方)に置く。
水指の上の茶筅を右手で取って、茶入の右に置き合わせる。
袱紗を左手に挟み、柄杓を取ってかまえ、袱紗を右手に持ち替えて釜の蓋を取り、蓋置の上に置き、袱紗を建水の後に仮置きをする。
柄杓をとり、湯を汲み、茶碗に入れ、柄杓を釜にあずけ、置き柄杓をする。
右手で茶筅を取り、茶碗に入れて一度打ち、茶碗を両手で持って、膝前に引き、茶筅通しをする。
茶筅を元に戻し、茶碗を右手でとり左手に持ち替え湯を建水に捨て、右手で水指上の茶巾を取り、茶碗を拭き、膝前に置き、茶巾を釜の蓋上に置く。
茶杓を右手で取り、左手で茶入を横から持ち、茶杓を握り込んで茶入の蓋を取り、茶碗の右横に置き(この時、かい先は向こうにむく)、茶杓を持ち替えて茶を三杓すくい入れ、茶杓を茶碗の右方にあずけ、右手を茶入に添え、少し斜めにし時計逆回りに回し、茶を全てあけ切る。
茶入の口を右手の親指と人差指で向こう手前と拭き、指を懐紙で清め、茶入の蓋をして、左手で茶入を元の位置に戻し、茶杓で茶椀の中の茶をさばき、茶碗の縁で茶杓を軽く打ち、茶を払って、茶入の蓋上左側に置く。(火の方)
右手で水指の蓋の摘みをとり、左手で斜め下を持ち、右手で斜め上を持ち、三手で水指の左横に摘みが右横になるように置く。
右手で柄杓を取り柄杓でとり、水を汲み、釜にさしてから、湯を汲み、茶碗に入れ、残った湯は釜に戻し、柄杓を切り柄杓で釜にあずける。
茶筅を取り、左手を茶碗に添え、茶を練り、茶筅を茶碗の左縁にあずけ、再び柄杓を取り、湯を汲む。
左手で茶筅を少し持ち上げ、穂先にかかるように湯を茶碗にそそぎ、残った湯は再び釜に戻し、置き柄杓で釜にあずける。
茶筅を取り、しっかりと茶を練りあげて、茶筅を元の位置におく。
茶碗を右手で取り、左手のひらにのせ、二回まわして正面を正し定座に出す。
正客が一口飲んだところで、服加減をたずね、客付に回る。
次客の一口で、正客から茶銘、詰、菓子、製などを問われるので、それに答える。
末客の喫み切りで、居前に戻り、取り柄杓で水を釜にさし、引き柄杓で釜にあずけ、袱紗を腰につけ、茶碗が客より返るのを待つ。
茶碗が返ると、右手でとり、左手で扱って右手で膝前に置き、主客総礼をする。（この時、茶碗について問いがあれば、これに答える）
柄杓をとり、湯を汲み、茶碗に入れ、置き柄杓で釜にあずける。
湯を建水捨て、茶碗を右手で膝前に置き、お仕舞いの挨拶をする。
取り柄杓で水を汲み茶碗に入れ、引き柄杓で釜にあずける。
しまいの茶筅通しをし(一度上げ二度打ち)、茶筅を元の位置に戻し、右手で茶碗を取り、左手に持ち替え建水に水を捨てる。
茶巾を右手で取り、茶碗に入れてから、右手で膝前に置き、茶筅を入れる。
右手で茶杓を取り、左手で建水を引き、その手で腰の袱紗を取り、茶杓を握り込んで袱紗をさばく。
袱紗で茶杓を拭き、茶杓を茶碗にふせて置き、袱紗を建水の上で払い、腰につける。
茶入を古帛紗にのせたまま、水指の前少し右に置きかえて、茶碗を右真横、左真横、右手前の三手でに茶入と置き合わせ本仕舞いをする。
柄杓を取り、釜に水を一杓さし、柄杓をかまえ、釜の蓋を右手で閉め、柄杓を蓋置の上に引き、水指の蓋を右手で斜め上を取り、左手で斜め下を持ち、右手で蓋の摘みを持ち、三手で閉める。
正客より「茶入、茶杓、仕覆、拝見」 があればこれを受ける。
柄杓を右手で取り、左手に持ち替え、建水にた伏せ、右手で蓋置きを取り、左手に持たせ、建水のうしろに置く。
茶碗を右手前、左真横、右真横の三手で勝手付に置く。茶入を古帛紗にのせたまま、両手で持って、客付に回り、膝前に置く。
袱紗をさばき、茶入を取り、蓋を向こう手前と拭き、袱紗を茶入の胴の右で拡げ、胴拭きをし、袱紗を古帛紗の右側に置き、蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を袱紗の向こうに置き、袱紗で茶入の口を向こう手前と拭き、袱紗を下に置き、その手で茶入の蓋を閉める。
茶入を右手に持ち替えて古帛紗の上に置き、茶入を古帛紗にのせたまま、両手で古帛紗を右向こう左手前と二回まわして、正面を正し定座に出す。
袱紗を腰につけ、居前に戻り、茶杓を右手で取り、左手に持ち替え、客付に回り、茶入の右側に置く。
居前に戻り、仕覆を右手で取り、左手のひらにのせて客付に回り、茶杓の右側に置く。
居前に戻り、右手に柄杓、蓋置を持たせ、一膝勝手付に向き、左手で建水を持って立ち、茶道口さがって襖の前に坐り、建水を膝前に置き、蓋置を左手で建水の右側に置き、柄杓を左手であしらいながら、右手で建水の上に横一文字に伏せて、襖を開け、水屋にさがる。
再び席に入り、右手で茶碗を取り左手のひらにのせ、右手を添えて両手で持ってさがる。
席にはいり、水指を持ってさがり、茶道口に坐り、水指を膝前に置いて襖を閉める。
客が拝見が終わると、茶道口に坐り襖を開け、拝見物の正面に坐る。
正客から、始めに”茶入の由緒@を問われるので、これに答える。
続いて、茶入の形、窯元、茶杓、仕覆の問いに答える。
問いが終わると、一礼をし、仕覆、茶杓と左手に持たせ、茶入を縁内の膝前に取り込み、古帛紗を二つに折って懐中し、茶入を右手で持って立ち、茶道口にさがって坐り、膝側から茶入、茶杓、仕覆の順に建付に置き、主客総礼をし、襖を閉める。