裏千家茶道 小習十六ヶ条

前八ヶ条と後八ヶ条の十六ヶ条の習い事であり、茶道の基本を養う上で最も必要な課目です。


<前八ヶ条>


・貴人点 (きにんだて)

貴人(身分の高い人、官位の高い人)に対する場合の点前。清浄第一を心得として、茶碗は天目形の新しいものを貴人台にのせ、菓子器は高杯に白紙を敷いて用いる。薄茶・濃茶ともに一人一碗が約束とされ、水屋から主方の給仕役が出て取次を行う。



・貴人清次 (きにんきよつぐ)

貴人に隋伴(お伴)のあった場合の点前作法で、貴人に敬意を払って二者を区別し、茶碗・茶筅・茶巾など別々のものを使用する。「清」は貴人、「次」は御次(おつぎ)隋伴のこと。 



茶入荘(ちゃいれかざり)

茶入が由緒ある品であったり、目上の方や大切な方から頂戴した品、または当日の連客中からいただいた茶碗を用いた場合などに行なう点前。濃茶点前のみ。



茶碗荘(ちゃわんかざり)

茶碗が由緒ある品であったり、目上の方や大切な方から頂戴した品、または当日の連客より到来した茶碗などをそのまま使用しないで、初座の床にあらかじめ荘ってする点前。薄茶及び濃茶点前。



茶杓荘(ちゃしゃくかざり)

茶筅に由緒がある時に行われる点前。目上の方や大切な方から頂戴した品、初座の床にあらかじめ荘ってする点前。薄茶及び濃茶点前。



茶筅荘(ちゃせんかざり)

水指に由緒がある時に行われる点前。師、祖父母などから譲り受けた水指であったり、亭主にとって大切な水指を飾っていたりする。薄茶及び濃茶点前。



長緒茶入(ながおちゃいれ)

長緒茶入を用いた濃茶点前。



重ね茶碗(かさねぢゃわん)

連客が多い茶席で、一碗では濃茶を練ることがむずかしい場合に、茶碗を2碗重ねて用いる点前濃茶点前のみ。


<後八ヶ条>


包み帛紗(つつみぶくさ)

薄茶器(棗)を袱紗で包み、茶入として用いる点前。



壺荘(つぼかざり)

主として口切や開炉の時など、葉茶を摘めた茶壺を席中に荘っておき、客が拝見を請うという点前。



炭所望(すみしょもう)

亭主が連客に炭手前を所望して、客一人がこれを行う作法。



花所望(はなしょもう)

花を入れる楽しみを茶室の客に譲るという作法。由緒ある花入を用いた時や、客から見事な花を頂戴した時などに使われる。



入子点(いりこだて)

杉の木地曲げの建水に茶巾、茶筅、茶杓を仕組んだ茶碗を入れて行われる点前。



盆香合(ぼんこうごう)

炭手前で香合が特別なものの時お盆に載せて後から持ち出す点前。



軸荘(じくかざり)

掛物に敬意を表す取り扱いで(軸物が名物あるいは宸翰・拝領物など)、通常は床に掛ける掛物を巻いたまま床に飾りつけておき、席中で客からの所望に応じて掛ける作法。



大津袋(おおつぶくろ)

濃茶を入れた棗を大津袋にいれて行われる点前。