炉 薄茶棚点前の手順(ひさご棚)

ひさご棚を用いての裏千家茶道 炉 薄茶棚点前の手順を記載しております。

棚点前は、平点前と基本の所作は同じでございます。

最後に柄杓と蓋置を棚に飾りますが、棚により飾り方が違いますので、非常に簡単ではございますが先に記載します。

•丸卓のように「丸い棚」は、丸は陽なので、柄杓は陰(伏せて)に飾ります。

•更好棚のように「角ばっている棚」は陰なのて、柄杓は陽(上向き)に飾ります。

•ひさご棚や桑子卓など、飾る場所がある棚の場合は(写真参照…この写真には茶碗が載っていますが、最後に茶碗は飾りません)、その場所に飾ります。桑子卓は裏千家では柄杓を伏せてたてかけます。

棚があるだけで、華やかになって良いですね。棚は台子が省略されたものですが、棚には沢山の種類があり、全てに意味があります。


準備

炉に釜をかけて、釜の蓋の向こうを少し切っておく。
ひさご棚を、道具畳中央に飾る。
(ひさご棚の下の位置には八分目ほどの水を入れた水指を、上の位置には杉形に茶を入れた棗を飾る)
茶碗に茶巾、茶筅、茶杓を仕込み、建水に蓋置と茶杓を仕込む。(蓋置は焼物)

棚 瓢棚 淡々斎好 【茶道 茶器 抹茶】

価格:38,880円
(2018/11/1 17:33時点)
感想(0件)

淡々斎好写瓢棚高田正斎作

価格:92,664円
(2018/11/1 17:35時点)
感想(0件)

手順

亭主は茶碗を建付に置き、茶道口の襖を開け、主客総礼をする。

茶碗を左手のひらにのせ右手で支えて持ち、右膝から立ち、右足で敷居を越して席に入る。

棚の正面に座り、茶碗を左手前をもち勝手付に仮置きをし、棚から棗を下ろし棚前の少し右横に置き、茶碗を左手前、右真横、左真横と三手で置き合わせる。

再び水屋に戻り、蓋置と柄杓を仕込んだ建水を左手に持って運び出し、茶道口に座り、膝前に懸垂を置き、襖を閉める。

建水を持ち点前座に進み、炉縁の左内隅をねらって客付斜めに座り、建水を左膝横に置く。

柄杓の柄の節の下を左手でとり、体正面で右手を添えて構え、右手を柄杓の内側を通し建水の中の蓋置を取り、炉縁の左横手前、畳のヘリより三目ずつのところに置く。

柄杓を右手で持ち出し、柄杓の合を蓋置に乗せ、柄を体と平行に引く。

建水を左手で炉縁の外側の線の延長線上に建水の中心がかかり、勝手付の畳のヘリから五〜七目ほどあけた位置に進め、居前を正す。

茶碗の左真横を左手でとり、体の正面で茶碗の右横を右手に持ち(二手)、炉縁の内隅をねらって、膝前少し向こうよりに置く。

棗を右手で上から取り、右一手で茶碗と膝の間に置き、袱紗を草にさばき、棗の蓋を清め、水指と炉縁を結んだ線の中央から少し左側に置く。

袱紗をさばき直し、茶杓を三度に清め、棗の上に手なりに置く。

袱紗を左手に握りこんだまま、茶碗の中の茶筅を棗の右横に置き、茶碗を右手で手前に寄せる。

左手の人差し指と中指の間に袱紗を挟んだまま、右手で柄杓を取り、左手に構え、右手に袱紗を持ちかえる。(袱紗で扱うのは、女性または釜の蓋が共蓋か蓋のつまみが南りょうの場合)

柄杓を左手に持ったまま、袱紗で釜の蓋を取り、蓋置の上に乗せる。

袱紗は柄杓の柄の内側を通して左膝横に置き、茶碗の中の茶巾を釜の上に斜めに、体と平行に置く。

柄杓を扱って、右手に持ちかえ湯を汲み、茶碗に入れ、柄杓を釜にあずける。(このとき柄杓の柄の端は、炉縁下座内側の線に揃う)

右手で茶筅を取り、茶筅とおしをする(二度上げ三度打ち)。

茶筅を置き、茶碗を右手で取り、左手に持ちかえ湯を建水にあけ、右手で茶巾を取り、茶碗を清め、茶碗を膝前に置き、茶碗を釜の蓋の上に戻す。

茶杓を右手で取り、「お菓子をどうぞ」と正客に菓子をすすめる。

左手で棗を持ち、茶杓を握り込み棗の蓋を取り、右膝前に置く。(この時茶杓の先は膝側に向くようにする)

茶杓を持ち直し、茶を二杓すくい茶碗に入れ、茶杓の先を茶碗の縁で軽く打ち、茶を払う。

茶杓を握り込み棗の蓋をし、棗、茶杓を元の位置に戻し、その手で水指の蓋を右手左手と2手で取り、水指の左に立てかけておく。

柄杓を上から取り、左手に扱い持ち直し、茶碗に適量の湯を入れて、残りの湯を釜に戻し、柄杓を釜にあずける。

茶筅を右手で取り、茶をしっかり立て、「の」の字を書くようにして、茶碗の中心から茶筅を引き上げ、茶筅を元の位置に戻す。

茶碗を右手でとり、左手のひらに乗せ、右手で向こうから手前に二度まわし、茶碗の正面を客に向け、右手で釜の蓋の横、定座に出す。

正客からの「お菓子を頂戴いたします」の挨拶を受け、正客が一口飲むと、袱紗を右手でとり、左手に打ち返して腰につける(女性または共蓋かつまみが南りょうの場合)。

茶碗が返されると、右手で茶碗を取り、左手に扱って、右手で膝前に置き、湯を汲み茶碗に入れ、柄杓を釜にあずける。

右手で茶碗を取り、左手に持ち替え、湯を建水にあける。

正客から「お仕舞い下さい」の挨拶があると、左手に茶碗を持ったまま、右手で軽く草のおじきでうけ、右手で茶碗を取り、膝前に置き、「おしまいしいたします」としまいの挨拶をする。

柄杓を上から取り、左手に扱い持ち直し、水を汲み茶碗に入れ、柄杓を釜にあずける。

しまいの茶筅とおし(一度上げ二度打ち)をし、茶筅元の位置に戻す。

左腕を右手で取り左手に持ちかえ、茶碗の中の水を建水にあけ、茶碗を持ったまま茶巾を入れ、右手で茶碗を膝前に置き、茶筅を入れる。

右手で茶杓を取り、左手で建水を下げ、茶杓を握り込んだまま、草の袱紗さばきをして、茶杓を極め(2度)、茶碗に伏せて置き、建水の上で袱紗をはらい、腰につける。

右手で棗を水指の前の右寄りに置き直し、茶碗を右手でとり、左手に持ち替え棗の左に置き合わせる。

柄杓を上から取り、左手で扱い持ち直し、水指から水を一尺汲み釜に差し、湯返しをし、柄杓をかまえ、釜の蓋を閉める。

柄杓を蓋置に置き、水指の蓋を左手で取り右手でつまみを持ち、二手で閉める。

正客から「棗、茶杓の拝見を」との挨拶があると、これを受けて一礼する。

柄杓を右手で取り、ひさご棚の左上のかける位置に柄杓をかけ、蓋置を右手で取り左手のひらにのせ、棚正面に回る。

蓋置を右手で上から持ち、棚下段の中の左手前に飾り(柄杓と当たらないように)、茶碗の右手前を持ち、右一手で勝手付に置く。

右手で上から半月で棗を取り、左手のひらにのせ、客付正面(炉縁の外側正面)に回り、膝前に置く。

袱紗を草にさばき、棗の蓋を清め、袱紗を右手に握りこんだまま棗の蓋を開け、蓋裏を確かめ、蓋を膝前に置き、袱紗を棗の胴に当てて折り返し、棗の口(立ち上がり)を向こう、手前と清める。

袱紗を握り込んで蓋をし、袱紗を膝前に置き、棗を左手のひらに乗せ、向こうから手前に二度回して正面を客のほうにむけ、客付に出す。

袱紗を腰につけ、水指正面に戻り、右手で茶杓を取り、左手に持たせ、居前に回り、右手を返すように茶杓の向きを変え、棗の右横下座に出す。

再び水指正面に回り、左手に建水を持ち、右膝から立ち、茶道口に下がる。

茶道口の前で座り、建水を膝前に置き、茶道口の襖を開け、左手で建水をもち水屋に下がる。

正客は亭主が建水を持ち水屋に下がると、拝見物を取りに出る。

再び、亭主は水指の正面に座り、右手で茶碗を持ち、左手のひらに乗せ、右手を添え、左膝から立ち水屋に下がる。

続いて水次を両手でしっかりと持って入り、棚正面に座り、水次を左膝頭ななめに置く。(注ぎ口が棚に向くように)

蓋置を右手で上からもち棚から外した左の位置に邪魔にならないように置く。

ひさご棚は柱が三本なので、水指を棚から出ないように手前に出し(半出し)、水指の蓋のつまみを右手でとり、左手で真横をもち、右手真横をもち、水指の前にたてかける。

右手で水次の茶巾を注ぎ口下にあて、左手で持ち手を持ち(片口の場合は、左親指で蓋を押さえる)、水指に水を汲む。

水次を元の位置に戻し、左手を膝上に戻してから、右手の茶巾で注ぎ口を拭きあげる。

水指の蓋を、右真横、左真横、右手で蓋のつまみを持ち、蓋を閉め、水指を両手でしっかりもち中央に戻す。

蓋置を元の位置にもどし、水次を両手でしっかりともち、左足から茶道口に下がり、座って水次を正面に置き、襖を閉める。

茶道口が閉まると、正客から順に棗、茶杓を拝見し、拝見が終わると、正客と末客は出会いで棗と茶杓を返す。

拝見物が定座に戻ると、亭主は茶道口の襖を開ける席に入り、道具正面に座り、一礼をし、正客からの問いに答える。

正客からの問いが終わると、棗を右手で上からとり左手のひらに乗せ、右手で茶杓をとり、棚正面に戻り、水指の上左に茶杓を一手で仮置きをする。

棗を右手で上から半月に持ち、ひさご棚の上の段の中心にかざり、茶杓を右手でとり、左手で扱ってから、右手で体中心にもち、左から水屋に下がる。

茶道口に座り、茶杓を左手で扱ってから右手で建付に置き、主客総礼をし、茶道口の襖を閉める。