裏千家茶道 風炉 後炭手前の手順を記載しております。
準備
炭斗の中に炭を組み入れ、枝炭三本を炭斗の前縁に、枝先を下にして持たせかける。
火箸を入れ、羽箒をのせ、その間に組釜敷を仕込み、鐶は合いを下にして、組んである炭の手前中央のところに立てかける。
香合に香木を三個入れて、香合台の上に乗せておく。
灰器の用意は初炭手前と同様、蒔灰の藤灰を少々入れ、灰さじを立てて仕込む。
水次には水を入れておく。片口の場合は蓋の上の手前に軽く絞った茶巾をたたんでのせ、薬罐(ヤカン)の場合は、竹の蓋置を口に差し、蓋の上の手間に軽く絞った茶巾をたたんでのせる。片口の場合蓋置は不要。
袱紗を腰につけ、懐紙、古帛紗を懐中する。
手順
炭斗を茶道口の建付に置いて座り、襖を開け、主客総礼をする。
炭斗を両手で持ち、席に入り、道具畳右寄りに進んで座り、風炉の右側に炭斗を並べておき、水屋に下がる。
灰器を右手で持って席に入り、風炉前勝手付斜めに座り、灰器を左手に持ちかえ、灰さじの柄が上座を向くように、道具畳勝手付の隅に置き(初炭手前と同じ)、風炉正面に向く。
羽箒を右手でとり、風炉と炭斗の間におろし、香合を右手でとり、左手のひらで扱い、右手で敷板の勝手付左角、蓋を置く位置に置き、右手で釜の蓋を閉める。※男性または女性でも、釜の蓋が共蓋か、南鐐の摘みの場合、腰の袱紗をとって袱紗さばきをし、袱紗で釜の蓋をしめ、袱紗をすぐ腰につける。
炭斗から右手で鐶を取り出し、両手で左右に割(鐶の合わせ目が下になる)、左右一緒に釜の鐶付にかけ(右鐶を向こうから手前に、左鐶を前から向こうに)、鐶を釜にあずける。
右手で組釜敷をとり、左手に持たせ、その手で釜の置く右方へと打ち返し、そのまま右手で炭斗の前に置く。
一膝前に進み、鐶を両手で持ち、釜を持ち上げて組釜敷の上に乗せ、鐶を釜にあずけ、釜正面に向き、鐶を持って、釜を道具畳半畳の中央まで引く。
鐶を外し、合わせ目を手前に重ねあわせ、右手で釜の右横、鐶付の並びに置き、風炉正面に戻り、右手で羽箒を取り初掃きをする。(掃き方は初炭手前と同様)
羽箒を手なりに炭斗の前に斜めに置き、その手(右手)で火箸を上から取り、右膝頭で突いて持ち直し、下火を直す。
炭斗の中の輪胴を火箸ではさみ、左手を添えてしっかりと持ち、五徳の左右の爪の間で前土器の向こうにつぎ、続いて丸毱打、割毱打をつぎ、割管炭と枝炭を一緒に挟んでつぎ、最後に点炭をつぐ。
火箸を右膝頭で突いて持ち直し、炭斗に戻し、右手で羽箒を取り、中掃きをする。(掃き方は初炭手前と同様)
羽箒を炭斗の前、元の位置に戻し、一膝勝手付(左)に回り、灰器を左手で取り、右手に持ちかえ、風炉正面に戻り、膝前に灰器を置く。
灰さじを右手でとり、左手であしらって持ち直し、左手で右手首を受けるようにして、藤灰をすくい、初炭手前の時に月方を切ったあとへ入れて埋め、灰さじを元のように立てて灰器に戻す。
灰器を右手でとり、一膝勝手付(左)斜めに向き、左手で元の位置に戻し、風炉正面に戻り、右手で羽箒をとり、後掃きをして(掃き方は初炭手前の時と同様)、羽箒を炭斗の左のほうにのせる。
香合を右手でとり、左手のひらにのせ蓋を取り、右膝頭に置いてから、火箸を右手でとり、右膝頭、皇后の蓋より内側で突いて持ち直し、香の一個は火の中、一個は輪胴の上に置く。
火箸を右膝頭で突いて持ち直し、炭斗の中に戻し、右手で香合の蓋を取って閉め、炭斗の中、香合台の上に戻す。
客付に回り、鐶を右手でとり両手で左右に割り、釜にかけ、釜を炭斗の前、はじめに釜を下ろした位置まで引き寄せ、鐶を釜に預けて釜正面に回り、両手で鐶を外して合わせ、右手で釜の右へ置く。
正客から風炉中拝見の所望があり、それを受け、勝手付斜めに向き、左手で灰器を取り、右手に持ちかえ、水屋に下がる。
拝見が終わると水次を持ち出す。
水次が薬罐の場合、まず、薬罐を持ち出して釜正面に座り、薬罐を釜の右横に置き、茶巾を右手でとり、釜の蓋の上に乗せる。
薬罐の口の蓋置を右手でとり、左手で扱い、右手で釜正面、膝との間に置く。
茶巾で釜の蓋を取り、蓋置の上に乗せ、茶巾をとり、左手に持ちかえ、茶巾で薬罐の口の蓋を開け、茶巾をその口下に当て、釜に水をさす。
薬罐を元の位置に置き、茶巾で薬罐の口を閉め、茶巾で釜の蓋を閉めて、釜の蓋の上に茶巾をあずけ、右手で蓋置を取り、左手で扱い、右手で薬罐の口に戻す。
釜の蓋の上にあずけた茶巾を右手でとり、左手で釜の蓋の摘みをおさえて、蓋の向こう、手前と拭き、左手を膝の上に置き、釜の胴の向こう側、肩の辺と胴を左から右へ「二」の字を書くように拭き、手前側を左から右へ「つ」の字を書くようにふく。
茶巾を薬罐の蓋の上に置き、両手で薬罐を持ち、水屋に下がる。
- 水次が片口の場合、右手で片口の手を持ち、左手で片口の底にかけて持ち出し、釜正面に座り、片口を釜の右のほうに置き、茶巾を右手でとり、釜の蓋の上に置く。両手で片口の蓋を取り、左から右へ打ち返して、釜と膝の間に置き、茶巾で釜の蓋を取り、片口の蓋の上に置き、茶巾を右手でとり、左手に持ちかえ、右手で片口の手を持って、茶巾を口下に当て釜に水をさす。片口を元の位置に置き、茶巾で釜の蓋を閉め、そのまま茶巾を持ち、左手で釜の蓋の摘みをおさえ、薬罐の場合と同じように、茶巾で釜の蓋、続けて釜の胴の向こう側、手前側とふき、茶巾を仰向けになったままの片口の蓋にのせ、そのまま蓋を肩口にのせ、両手で片口を持ち、水屋に下がる。
再び席に入り、風炉正面に座り、右手で鐶を取り、両手で左右に割り、同時に釜の鐶付にかけ、一膝前に進み、風炉に釜をかける。
鐶を釜にあずけたまま、右手で組釜敷をとり、右から左と打ち返し左手に持たせ、右手で持ち、炭斗の中、羽箒と火箸の間に戻す。
鐶を両手で持ち釜の傾きを正し、鐶を外して合わせ、右手で甲を上に、その合い口に四本の指が中になるようにして持ち、炭斗の前に持たせかける。
一膝下がり、右手で釜の蓋の向こうを切り(男性女性、また釜の蓋が共蓋か南鐐の摘みの場合でも手で切る)、畳中央により、炭斗を両手で持ち、茶道口に下がって座り、建付に炭斗を置き、主客総礼をし、襖を閉める。
